カミーノの迷い方

食べるの大好き人間のカミーノ巡礼、栄養学、食に関する本、ゼロウェイストなど

カミーノ28日目(Samos→Sarria 12.2km)

8月22日

 今日の目的地は、サリア。ここは聖地サンティアゴまで100kmの町で、ここから歩き始めたら巡礼者として認められるのでここから歩く人も多い。サリアと聞くと、ゴールが近いことが感じられて、凄く寂しい。

 一人で宿を出発し、すぐにあったカフェに入る。韓国人ナースY、ジョセフが来たので一緒にカフェコンレチェを飲む。外の席からは修道院が見えて、歩いて来るみんなにブエンカミーノって言って、心地よい朝の時間を過ごした。

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 3人で歩き始める。ジョセフとYが話しながら歩くのを見ながら、なんとなく歩くのが遅くなる。また後でね!って伝えて、一人で歩くことにする。

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 一番の理由は、早くサリアに着きたくないから。カミーノの終わりを考えると、自然と足がゆっくりになる。それから、多分、ちょっと別の人と過ごしたい気分になったから。カミーノ初日にYに会って、次の日の夜ご飯を一緒に作ってから仲良くなった。お互いに一人で来てて、朝はそれぞれ出発するし、泊まる町をここにしようって相手に合わせたことは無い。ログローニョでは、私は自分の思いつきで宿を決めて、2泊したけど、Yは別の理由で同じ宿に来て、別の理由で2泊した。結果、私たちは初日から今日まで同じ宿で過ごしてる(山頂を除く)。Yと一緒にいるのは本当に楽しい。Yは、山頂でテント泊してからジョセフとの絆も深まったみたいだし、私もサリアを前に、ちょっと別の人と話そうかなって気分になった感じ。

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なんてことないけど綺麗だなって思った木。

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小川の前で休憩。

 小川の前で道に寝転がって休憩。巡礼者(イタリア人アンジェロやブラジル人ヴィヴィアン、ショーンとその彼女など)が通りかかる時に、大丈夫?って声をかけてくれた。"大丈夫、ゆっくりしたいだけ"と答えると、みんな、"ああ分かるよ"って言って歩いて行った。

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通り過ぎた橋。渡れるのかな?

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緑が多くて最高。

 小学生か中学生の国語で読んだ、木に聴診器を当てて音を聴く話を思い出して、木に耳を当てていると、後ろから歩いて来た人と目が合った。ちょっと恥ずかしかったけど、それをきっかけに話始めた。彼はイタリアのトリノ出身の男性で、何日か前から歩き始めたみたい。小さいころからフェンシングをしていて、それ以外にもランニング、水泳、テニス、スキーと毎日運動しないと寝れないという人だった。車も好きで何台か持ってるうちの一つは古いトヨタの車だったりして話が弾んだ。

 彼は今日はサリアを通り過ぎて先の町まで歩くそう。着くの遅くなりそうだから宿あるといいねって言うと、聖地サンティアゴまで宿は全部予約済みとのこと。私はこれまで一度も予約無しで来たけど、サリアからはかなり人が増えると聞くから心配になる。この時、サンティアゴの宿予約しとけば良かった。と後から思う。

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彼が予約したホテル。ドミトリー14€だし、大聖堂から徒歩15分だし良さそう。

 お互いの好きな食べ物についても話した。彼の好物は、グラニータ。聞いたことあるような無いような。それはシチリア島生まれのシャーベットアイスで、シチリア島で食べる時は大体美味しい店に当たるけど、シチリア島以外では本物のグラニータは少ないから注意するようにとのこと。

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トリノのおすすめの店。

 フェンシングを始めたきっかけを聞くと、ミッキーとの答え。小さい頃にディズニーのアニメを見ていたらミッキーがフェンシングをする回があって、それを見たら凄くしてみたくて始めだんだって。きっかけが可愛い。

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スマホにフェンシングするミッキーのシール貼ってあった。

 途中カフェでいつものメンバーに再会したりしながらも、ずっと彼と歩く。体力ありそうだから、この先会えなさそうだなと思って。

 12時過ぎにサリアに到着。Yから、"今日はみんなでご飯作ろう!パーティしよう!この宿キッチン広いからここに来て!"って連絡が入ってたのでそこに向かうことに。イタリア人の彼は観光案内所にちょっと寄ったので何を聞いたのかと言うと、プールの場所。”違うよ!ちょっと休憩するだけ!"って言ってたけど多分泳いでた。凄い体力だなあ。

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サリアの市街地マップ。プール有り。

 Yたちのいるアルベルゲへ。サリアは混んでるって聞いたけど、時間も早いし空いてたみたい。キッチンは広いし清潔でいい感じ。しかも、私たちの部屋は2段ベッドじゃないベッドで、コンセントも一人一個あって助かる。

 シャワー洗濯を済ませて、一人で街をぷらぷら。川沿いのレストラン、超満員のプルポ(蛸)屋さんを通って、街の反対側にある巨大スーパーMercadonaへ。スペインで行ったスーパーで一番大きくて(ショッピングモールを除く)、大興奮。今日の夜はそれぞれ各国の料理を作るみたいなので、寿司用の海苔を探したらあった。

 来た道と違う道で帰ろうと思って裏通りを歩く。シエスタ中のアンティークショップのウインドウを眺めたり。

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可愛い図書館。

 教会が近かったので行ってみる。もうすぐで開きそうだから教会の横で座って日記を書きながら待つ。ここは、木とベンチがたくさんあって、空気が綺麗で凄くいい場所だった。同じく教会が空くのを待ってる人と話す。彼らはドイツ人のお母さんと息子、その彼女の3人でカミーノ中で、次回はドイツからしたいと私と同じことを考えてたので話が弾む。ドイツとフランスの宿は高いから、キャンプが良いねって結論になった。

 ドイツ人のお母さん(英語勉強中)は拙いドイツ語で話す私を暖かく見守ってくれて、ドイツ語で"いつも自分の心に太陽を持っていたら大丈夫"って感じのことをノートに書いてくれた。気分が上がらない時はこの言葉を思い出す。

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教会の前はアルベルゲ(巡礼宿)通り。

 買い出しの時間になったので3人に別れを告げて、Y達と合流。大型スーパーMercadonaで色々買い物。鮮魚コーナーで寿司用のサーモンを切って貰おうとしたら、最低でも半身買わないとダメだと言われた。多すぎるので、他のスーパーにも行ってみて無かったらスモークサーモンにすることに。二軒目のスーパーGradisで好きな分だけ切ってくれたので良かった。海が近いとはいえ、海外の魚屋さんで魚を買って生で食べるのは勇気がいったけど、ジョセフが確認してくれて、魚の切り方の指示を出してくれたのでとても助かった。

 宿で調理スタート。日本人3人は寿司、韓国人2人はプルコギ、スペイン人ジョセフはパエリヤ、イタリア人ダーリオはトマトのバゲットを作る。他の巡礼者にも食べて貰える様に、7人分よりかなり多い量を作った。どれも凄く美味しそうにできた。

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絶品パエリヤと寿司とプルコギ。

 料理は全部美味しかったけど、何より、パエリヤが美味しかったー!人生で食べたパエリヤで一番美味しい。何時に料理出来上がる?ってジョセフに聞かれて私たちが答えた時間の15分位前に調理し始めて、さっとできたパエリヤ。特別な調味料は使ってないみたいだけど(勿論パエリヤの素とかでもない)、魚介の出汁が濃厚で、米の一粒一粒まで美味しかったのが印象的だった。また食べたい。
 みんな薄々気づいてたけど、宿に人が来ない!顔見知りは一人もいないし、同じ宿の初めて会う人を誘うも断られる。100人収容の宿なのに..."Donde esta Pellegrino? 巡礼者はどこ?"って言うのが今日のみんなの口癖。通りに面したキッチンだったので、通りかかるペレグリーノを誘おうとも試みる。数日前にアストルガで一緒に踊ったスペイン人女性が通りかかったので叫んだけど、"夜ご飯は予定あるのーごめーん"って返事。

 原因①ここは街の入り口に近いので、とりあえず素通りして、教会前の宿が集まってるところに行く人が多い?

 原因②サリアは大きな街なのでレストランに食べに行く人が多い?

 原因③そもそも今日サリアに人が少ない?人の移動の波から外れてる?

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100人収容なのに20人位しか泊まってない。

 7人で全て完食。美味しかった〜。寿司作ろうって聞いたとき、え〜(材料調達も含めて)難しそうって思ったけど、何とかなるもんだな。ちょっと散歩してカフェでコーヒー飲んで、就寝。

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牛乳の自販機。壊れてるのか、買えなかった。

Alma do camino 9€ ★★ キッチン広い Wifiサクサク(ベッドでも)  シャワー清潔   



 

 

  






カミーノ27日目(O cebreiro→Samos 29.6km)

8月21日

 6時半出発。山の道か国道の道か悩んで車道沿いの道へ。前の人は引き返して行くし、誰も歩いてこないし、車が意外と多いし不安だったけど、3km先で合流し一安心。暗い中山降りるのこわいと思ったけど、人が多そうな山道の方が良かったかも。

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赤は車道、緑は山道。

 合流してからは山道が気持ちいいーーー!まだまだ登ったり下ったりだけど、風が強くて景色がいいから平気。

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左端:風に飛ばされないように帽子を手で抑える巡礼者の像

 最初のカフェで休憩してると韓国人ナースY、スペイン人ジョセフ、イタリア人アンジェロetcが来たのでみんなで朝食。ナポリターナ好きだね〜ってアンジェロに言われて何のこと?って聞いたら、チョコパン(スペインでよく見るデニッシュ)のことをナポリターナっていうみたい。知らなかった〜

 カフェを出て暫く歩くと、もの凄い急勾配の坂があって、思わずみんな苦笑い。そこを登りきるとまたまたカフェが会って、顔見知りと朝の挨拶。

 今日の目的地はサモス。スペイン語でLet's go が "vamos" なので、"vamos Samos"が今日の合言葉。韓国人ナースY、スペイン人ジョセフ、日本人大学生Tと歩く。 ガイドブックに、"ガリシア州に入ると緑が多くなって、時々牛糞だらけの道がある" とあるけど、本当にその通り。木が多くて歩いてて気持ち良くて、道いっぱいに牛糞だらけの道が時々ある。 

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にわとりに注意!

 Yとジョセフは、昨日テント泊だったから今日は絶対ベッドに寝たい、14時前着!って言いながら歩くし、日本人大学生Tは体力があるのでそれに着いて行く。私にはちょっと早すぎるし、川があったりでなんだか気持ち良く歩いてるのもあって、気づいたら一人で、迷ったかもって思うことが一回あった。危ない危ない...迷ったかもって思いながら歩いてたら3人が待ってくれてて、一緒に休憩。急に水をかける遊びが流行した。暑かったんだろうな。

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古い教会。

 そんなこんなでサモスへ到着!サモスは日本のガイドブックには載ってないし、特に来たかったわけでもないけど、vamos Samos 言ってるうちになんとなく来た。ベテラン巡礼者のジョセフが泊まると決めてる町だし間違いなさそうだなと思って。サモスは、大きくて特徴的な修道院の側を川が流れてて、大きくはないけど素敵な町だった。14時からのシエスタ前だったので先に商店で買い物(石鹸買ったけど変な色と匂い。買い物は都市ですべき)を済ませて宿へ向かう。

 今日の宿は、修道院。受付の人が昼食に行って居ないので建物の前で座ってポテトチップスを食べながら待つ。道を挟んで向かいに洗濯物干し場や、レストランがあるのをぼ〜っと眺めながら太陽にあたって、平和な感じ。

 係りの人が戻って来て、受付。受付しながら、スタッフの人が生ハムとかのおつまみ、水をくれて、とても優しい。一つの部屋に70人分の二段ベッドが並んでて、その中に受付もあって、壁には独特の宗教的な絵が描いてある。すぐ隣の部屋に男女共用のシャワーとトイレがある。多分ずーっと昔から変わってない感じで、とてもカミーノらしい宿で良かった。後からハビーとホセマン、アンジェロ、ショーンとスペイン人彼女も来た。この日はスペイン人イタリア人がほとんどだった気がする。

 シャワー洗濯と済ませて目の前のバルで一杯飲んだ後は、Yに足の豆を潰してもらったり、川沿いで日記を書いたり、ベッドで休憩したり。ベッドでうとうとしてる時に人が移動するのが分かったけどそのまま寝てしまって、後から後悔。この修道院は夕方(と夜も?)からミサがあって、司祭が聖歌を歌ってくれたりしたみたい。そもそもここはガリシア州最古の修道院で、その回廊はスペイン最大でとても美しく、必見らしい。なのに見てない(自由に入れなくて、ミサの時に入れる)。次回必ず!

 夜ご飯。町の反対側に美味しそうなレストランを見つけたけど、宿の目の前に2軒お店があるのに10分も歩く気分になれず、みんなと目の前のバルへ行くことにした。宿から見て左は新しくて入りやすい雰囲気で、お昼に一杯飲みに行ったけど、その時にご飯を食べていたハビーに美味しい?って聞くと普通って答えだった。右の店は、ちょっとだけ入りづらい。どっちでもいいや〜って思ってたら、ジョセフは右の店に行こうというので右の店に行く。ペレグリーノメニューがあったので、それぞれ頼む。

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これまでの道、ここからの道について話しながら料理待ち。

 あんまり期待してなかったペレグリーノメニュー(巡礼者向けのお得な定食。肉!ポテト!って感じが多くて、凄く美味しくはない)めちゃくちゃ美味しかった!ペレグリーノメニューでは一番かも。

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イカのソテー。マリネっぽい感じ。

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生ハムと焼いた木の子のサラダ。

 そして、デザートも美味しかった!前日の夜に、イタリア人ジューリオが飲んでいたガリシア州のお酒を一口貰って飲んだんだけど、このケーキは多分そのお酒を使ったケーキ。お酒の名前忘れたけど多分これ↓

オルホ - Wikipedia

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デザートまで地元らしいものを食べれて嬉しいし、美味しい。

 予想外に美味しいものを食べれて大満足。宿に帰るのも楽チンで、ベッドに直行し就寝。

ムニンシパル ドネーション ★★ カミーノらしい宿 Wifi無し キッチン無し 共有スペース無し シャワートイレ凄く古いのでお湯出ないときありそうだから冬は辛いかも 洗濯しにくい 洗濯機無し  

カミーノ26日目(Villafranca del Bierzo →O cebreiro 30.5km)

8月20日

 6時42分に出発。今日は登山の日。迷ったかな〜っと思いながら車道沿いの道を一人で歩いてたら、イタリア人男性に会って、二人で歩く。彼はアンドレアという名前で、一ヶ月ほどヨーローッパを周遊中で、カミーノはこの日が初日。大きくない体に、すごく大きなリュックを背負ってる。

 彼と会ったけどやっぱりまだ迷ってるかもって思いながら歩いてたら日本人大学生Tが歩いてるのを見つけて一安心。彼と一緒に歩いてるイタリア人はジューリオといって、ワンピースとか剣道の話をした。イタリア語で元気?は"コメスタイ?"って習う。

 最初のカフェで休憩。トルティーヤとカフェコンレチェで朝ごはん。カフェを出て歩き出すと、川がたくさんの道を歩く。最近よく顔を合わせる、素敵な笑顔のイタリア人モニカに会ったのでコメスタイ?と早速使うと、ベーネ!って返って来た。ベーネは知らなかったけど元気!ってことみたい。

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 お洒落なスペイン人ハビーに会った。私の顔をみると、聞いていた音楽を中断して話してくれたので、何の曲を聴いていたのか聞いた。答えは何とフラメンコの曲!彼はスペイン南部のセビージャ出身で、フラメンコの本場なのだそうで、彼はすっごくフラメンコが好きみたい。彼にとってカミーノは3回目で、小さい頃に一度家族と来て、去年幼馴染と久しぶりにカミーノに来たら楽しくて今年も来たんだって。いつもお洒落で、とっても優しくて、ちょっとボディタッチが多い弁護士さんな彼。

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 今日はたくさんの小さな村を通る。登山前最後の村は、みんなこれから登山するんだって感じが溢れてて楽しい。そこで食べ物を買ったり、カフェ休憩中の世界一周ガールAと頑張ろうねって言って別れたりして、いよいよ登山スタート!

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小川が流れるのどかな村。

 

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アスファルトの山道きつかった。

 山道は木が多くて、トトロの家につながる道みたいで気持ちいいな〜って思ってたのは最初だけで、めっちゃくちゃきつい。日本人大学生Tとイタリア人アンジェロについて行こうって思ったけどきつい。

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 木が無くなって、かんかん照りの天候の中をひたすら登る。初日のピレネーと同じくらいきつい...ポカリスエットのCMくらいぜいぜい言いながら登る。 

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晴れ!!!

 やっとあった木陰で一休み。さっき買った平たい桃と、生ハムと緑のプラム(めちゃくちゃ甘くて美味しい)を食べる。スペイン人ホセマや、可愛いブラジル人ヴィヴィアンも来て一緒に休憩。ホセマはテルマエロマエに出て来そうな顔立ちで、すっごいダミ声で、"アグア?=水飲む?"って聞いてくれて優しい。でも声で笑っちゃう。

 山の途中の村に到着。イタリア人アンジェロが水道の水を頭からかぶってて気持ち良さそうだった。カフェやアルベルゲもあって、ちょっとだけここに滞在したい気分になる。大きな荷物のアンドレアは今日はここに泊まるみたい。 

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カスティージャ・イ・レオン州からガリシア州へ。

 最後の力を振り絞って何とか14時に到着!山の上だけど思ったより栄えてる。町の奥にあるアルベルゲに着いたけどすごい行列。世界一周ガールAもくたくたの様子で到着。私もAも体がきつすぎて、並びながらも草の上に寝っ転がる。結局入るまでに30分以上かかったなあ。

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お土産屋さん。宿泊施設は8件あるみたい。

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座って並んでるとき。

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寝て並んでるとき。

 シャワー洗濯を済ましてベッドでちょっと休憩。16時に韓国人ナースYとスペイン人料理人ジョセフが来たけど満室!公式のアルベルゲリストには一件しか載ってなくて、宿は他にもあるけどちょっとお高め。フィンランド人男性と中国人女性カップルも今日はちょっと遅く到着。中国人女性は次の町のアルベルゲに電話したけど満室だった様で、二人で50€のツインに泊まることにしたとのこと。カップルじゃないYとジョセフは...テントで寝ることに!夏とはいえ、山の上...教会に寝かせて貰えないか交渉したけどダメで、教会の裏の風を防げそうなところにテントを設置することに。今回のカミーノが(確か)3回目で、今回はなんとローマから歩いてるジョセフは勿論テントを持っていたけどYは持っていないので、テントを持ってる人を探す。会う人会う人に聞いたけど意外と持ってる人いない...結局韓国人男性が持っていたので一件落着。聞いて回ってると、みんな協力的で、テントは持ってないけどこれなら貸せる!って言ってくれたり、どうなった?って聞いてくれたりして優しい...
 数日前から何度か会ってるブラジル人おじさま二人組は、俺たちが外に寝るから!って言って聞かなかった。彼らはいい人だけど、Wifiの設定が毎回分からず、日本人大学生Tにポルトガル語で毎回聞いてて、今日もTが設定してた笑。

 日本人大学生Tと世界一周ガールAとレストランへ。一人で食事をするイタリア人ジューリオがいたので同じテーブルに。彼はは日本に興味を持ってくれている落ち着いたイケメンで、4人で色々話す。デザートは、日本人3人のイタリア語発音対決で勝った人が決めることに。私、A、Tの順で"Grazie(ありがとう)"と言っていき、勝者はT!何度やっても結果は同じで悔しかった...Tは今回の旅で韓国語とスペイン語をどんどん吸収してるし、語学の才能に少し嫉妬。

 韓国人ナースYとジョセフと合流し、高台で空を眺める。空の色が、綺麗でずっと見てられた。初日のピレネーで水をくれたブラジル人男性と再会し、ちょっと話す。

 宿の裏に移動し、さっきとは変わった空の色と、沈んでいく夕日を眺める。今日もたくさん歩いてたくさん話してたくさん笑った。

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ムニンシパル 6€ ★★ 104人収容で大きいけど、満室になると選択肢少ないので注意 キッチン有り 

 

※バタバタして行きそびれたけど、この町の教会は巡礼路で一番古く、スタンプも数種類あって可愛いので行くべき。


カミーノ25日目(Ponferrada→Villafranca del Bierzo 22.7km)

8月19日 

 朝一人で出発した。大きな街を出るときは、やっぱりちょっと迷う。昨日は気づかなかったけどお城があって、その側を通る。昨日洗った靴下が乾いてなくて気持ち悪いので、裸足で歩こうと思い立って、歩いてみたけど、コンクリートの道は痛くてすぐに断念。日本人大学生Tと会ったので一緒に歩く。彼は今までずっと、昨日お別れした二人と歩いていたから、私よりずっとずっと寂しいだろうなあ。二人で歩いていると、コウノトリの巣から雛が落ちるのが見えた。飛び立ったんでは無くて、落ちた感じ。まだ全然飛び立つ時期じゃないみたいで、飛び方がめちゃくちゃ下手。このままじゃ生きていけないよねってTと話してたら猫が来て、ぱくり。どこででも起こってることだろうけど、目の前で見ると衝撃が大きかった...

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定番の朝食で休憩。カフェの外でご主人を待つ犬と戯れながら。

 途中変な日本語を見つけた。

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Anata no shikaku o tuin 巡礼手帳に押印するよってことみたい。

 日本人Y子さんと会ったので一緒に歩く。Y子さんはやっぱり独特の世界を持っていて、話すのがとっても楽しい。日本人だけで3人で歩くのが初めてで、変な感じで、みんなちょっと日本語がおかしい。日本語でいいのに英語で言ったりとか。

 12時頃カカベーロスの町に到着。韓国人ナースYが合流して、英語と日本語で話し始めてやっといつもの感じに戻った。

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パスタと赤ワインでお昼ごはん。7.5€

 今日は比較的平坦な道のはずだけど、気がつくと15時を過ぎていて、今日もすっごく暑くて、結構きつい〜。遮るものの無いぶどう畑を歩く。やっと見つけた木陰でしばらく休憩。韓国人大学生カップルにも再会して、一緒に休憩。

 今日の町ビジャフランカに到着。みんな疲れてるし、時間が遅めなので一番手前の宿に泊まることに。町のバルで赤ワインを一杯飲んだあと、この町は川が美しいと聞いたので泳ぎに行く。なかなか川に降りるところを見つけられなかったけど、なんとか場所を見つけてぴちゃぴちゃ。どんなに暑くても、川の水は冷たくて入る勇気がなかなか出ない。老夫婦と話すYとTを眺めながら、岩場でおつまみを食べて、Y子さんとおしゃべり。まったりとしたいい時間。

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平たい桃と生ハム一緒に食べるの美味しい。酔うと危険そうでワインは飲まず。

 YとTによると老夫婦に見えた二人は、お互いそれぞれ相手に先立たれて、最近付き合い始めたみたい。そういうのもいいな。

 遅めのシャワー洗濯を済ませて、町へご飯を食べに行く。もう19時を過ぎてるけど、今町に着いた様子の、お洒落スペイン人ホセマとハビー、人懐っこいイタリア人アンジェロと、可愛い女の子リタに会う。多分同じ町から歩いたのに、それだけのんびりできるのが羨ましいようなそうでも無いような。

 それぞれペレグリーノメニューを注文。どうしてもガリシア風プルポ(蛸)が食べたくて欲張ったら、美味しかったけどめちゃくちゃ量が多くて苦しかった。

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生ハムときのこと卵の炒め。美味しい。

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プルポ!

 イタリア人とルームシェアしてたY子さんから、イタリア料理の話を聞く。順番があるから、メインを食べてる時にサラダに戻って食べたりしたらダメみたい。知らなかったというか、イタリア料理について何も知らないことに気づいた。ちなみに、ルームメイトのイタリア人は毎朝コーヒー入れてくれてたんだって。優しい!イタリア行ってみたいな。
 そろそろ門限だねって急ぎ足で宿に帰って、ぴったりの時間に着くと、宿の人が入り口に鍵をかけて車で出発するところだった!慌てて車を止めて鍵を開けてもらう。危なかった〜。

 洗濯物を取りにキッチンへ行くと、暗闇でイタリア人男性と、可愛い女の子リタがいちゃついてた。多分今日初めて会った二人。さすがイタリア人!カゴを誰がキッチン(まだ二人いる)に返しに行く?ってなって、Y子さんが行ってくれるのを見守ったりして、楽しかった。

 

 

ムニンシパル ★ 6€ 部屋がとにかく狭かった 町からかなり遠くて不便 洗濯物干すところが無かった 門限に注意 

  






カミーノ24日目(Foncebadon→Ponferrada 27.4km)

 8月18日

 今日はイラゴ峠の鉄の十字架から日の出を見たいので、6時ごろ、多分村で一番位に出発。暗闇の中、村から出る道に羊が沢山いて怖いし、霧が凄いので出発しそうな人をちょっと待って後をついていく。暗闇で、霧の中一人で山を登っていくのって日常からかけ離れてて、ドキドキする。

 7時ごろ十字架に到着。沢山の人が祈りを捧げた大きな十字架を前にすると不思議な気持ちになる。地元から持ってきた石をここに積んで道中の安全を願うみたいだけど知らなくて持って来るの忘れちゃった。石を積んで願うといえば宮崎のパワースポット天安河原を思い出す。天安河原では無数に積まれた石がなんだか怖くて近づけなかったけど、ここでは平気だった。置き方の違いかなあ?

 日が出るまで地面に座ってぼ〜っと過ごす。変化していく空は綺麗だけど、方向的に朝日は良く見えなくて、途中の道からの方が綺麗に見えたから朝そんなに頑張る必要なかったかも。

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6:55

 世界一周ガールAに会って一緒に歩く。緩やかな下り坂で歩きやすい。綺麗な山を背景に写真を沢山撮った。私のレインウェアは紫で、Aはピンクでなんとなくいい感じ。

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7:57

 マンハリンに到着。とは言ってもここはアルベルゲが一つあるだけなので通り過ぎる。ここのアルベルゲはシャワーが無くて、一風変わった男性がいるとの噂。もちろんWifiも無いだろうし、泊まってみたら面白いかも。

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各国への距離の看板たち。日本は見当たらなかった。

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モロ。

 山を歩くのは、単調な景色が続いたメセタの後というのもあって、楽しい。遠くの山も、近くの草花も綺麗で、時々霧の中で、緩やかに下って、Aとジブリ映画の話をしたりしながら歩く。

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道しるべと記念碑とヒースの花。

 車道に出たところで休憩。韓国人カップルのお隣に座って、話す。ソウルの大学生カップルで、仲良さそうで微笑ましい。

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KEEP GOING !

 途中で昨日同じ宿だった日本人女性Y子さんと会って一緒に歩く。海外に何年か住んでいた経験があって、スペイン人ばかりと住んでいたり、ベッドバグの発生で何回か引っ越したことがあったり、色々な経験をしていて話すのがとても面白かった。

 モリーナセカに到着。村へ入る橋とその下に流れる川沿いが印象的な村で、ここで泊まってもいいかも!と思うくらい気に入った。他の人と待ち合わせをしているY子さんと別れて、お昼どうしようかなって思ったら、Yから今ここにいるよって連絡が来てて、場所を確認したらすぐ近くだったので向かう。

 川の前のレストランのテラスで軽くお昼ご飯。メニューを見るとタパスしかなかったけど、店内に行くとピンチョスが並んでたので指差し注文。

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ピンチョス3つとワインで2.8€

 南アフリカ人のショーンが隣のテーブルにでメニューを見て悩んでる。中にピンチョスあって、これで3€しなかったよ〜 って写真を見せると、これにする!と言って中で注文。ピンチョスとワインを手に戻って来ながら、いい情報をありがとう!って爽やかな笑顔で言って行く。ペレグリーノ同士って、自然に助け合える、本当に心地良い関係。

 Yと昨日の夜の話をする。Yも結構酔っ払って、ハビーに、二人は付き合ってるの?って聞いてしまったらしく、私って失礼..謝らないと...って悩んでる。ちょうどハビーが来たので、昨日はごめんなさいっていうと彼は、「いいんだよ。でも僕は女性が好きなんだ。とっっってもね。」って言ってて可愛かった。彼のカミーノ日記に彼女が韓国語で謝罪文を書いて、私も書くように言われて、謝ることはないので彼の印象について日本語で書いた。緑のモレスキンのノートで、中の文章も全て緑のペンで書いてあって彼に似合ってた。ノートいっぱいの韓国語と日本語を見て喜んでくれたので良かった。

 ここ2週間一緒に歩いて来た韓国人大学生Yと、韓国人パパとは今日でお別れ。彼らは旅行の日程に余裕がないので、明日バスに乗って先の街まで行き、そこから聖地サンティアゴまで歩く予定(ちなみにこの二人は旅行の日程も一緒だし、なんとなく親子の様に見えるけどカミーノで会った全くの他人)。彼らに向けてハングル語で手紙を書く。Yに手伝ってもらいながら書くけど、ハングル語を勉強したことが無いので、どこからどこまでが一つの文字か分からず、難しい!違う文字の言語を学ぶ人って凄いなあ〜と尊敬。ちょうど彼らが来たので急いで隠す。レストランを探しているが見つからないしここで食べる?って言い出しそうな彼らに、そのレストランならあっちじゃない?って方向を示す。ここで食べられたら手紙書けないから!

 ポンフェラーダに到着。思ってたより大きくて、人口6万人超えの町。大きな橋を渡って、ムニンシパルへ。Yと受付をしていたとき、Yの腕にたくさんあるベッドバグの跡について聞かれる。いつからか、どこの宿でか、リュックは洗ったか...それが終わってベッドに行ってゆっくりしていると、受付の人とかなり年配の男性が来て、"リュックをこの袋に入れて洗え"と言うので、何度も洗ったよ!って言うと、"一緒に行動してるならお前もだ"ってかなり強い口調で言われて呆然。私にベッドバグが無いことを説明するとOKになったけどYはそうもいかず、リュックをまた洗うことに。お向かいのベッドのショーンとその彼女も大変だねって同情してくれた。ベッドバグは巡礼者にとっても宿にとっても大きな問題なことは分かってるけど、年配の男性の態度がかなり酷く、Yの元気が無くなってしまった...

 後から着いたいつものメンバー(スペイン語勉強中の日本人大学生T)も、年配の男性に怒ってる様子。洗濯機の使いかたが分からず彼に聞くとスペイン語でしか話してくれず、意味を他のスペイン人に確認していると、"スペイン語が話せないなら洗濯機を使う資格は無いので使わせない"と言われたそう。Crazy!!!

 そんなこんなで皆なんとなくお疲れモード。今日でお別れの韓国人二人が明日のバスのチケットを買いに行って帰ってくるのを待つ間、足湯みたいな足プールに足つけてたり、クールな日本人大学生Rの自炊を手伝ったりして過ごす。手伝いながら、先日買ったパプリカの何かを開けると、燻製では無く粉だった。ちょっと残念。

 二人が帰って来たので、街へご飯を食べに行く。一軒目は私とYだけ、立ち飲み屋で乾杯。地元の人と隣で楽しかった。

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一軒目。El Orto Bar 。お洒落タパスがずらり。

 二軒目は、みんなで座って乾杯。二人に手紙を渡すと、大学生Yが泣いてくれてこっちもじーんとした。振り返ると短い間だったけど、出会えて良かったなあ。韓国人パパは、ビールのグラスに指で触れて、目の下につけて泣き顔に。この人は最後までお茶目で憎めない人だった。

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二軒目。La Destilería Bar 。サッカーグッズがずらり。

 三軒目は通りかかったらちょうど席が空いた屋外の席で乾杯。ここで食べた内臓?か何かがめちゃくちゃ美味しかったけど何だったのか忘れちゃった。

 出会いの数だけ別れがあるカミーノ。2週間ほぼ毎日一緒に過ごした二人とのお別れは寂しいけど、また会える日が楽しみ。前に進むしかない。

 

ムニンシパル ★★ ドネーション Wifiの使い方ややこしくて使わず シャワー、洗濯場遠い 足湯有り キッチン広いけど人多いので競争 年配の男性以外はいい人 

Bar Dkda  三軒目のレストラン 


 

 

カミーノ23日目(Astorga→Foncebadon 26.3km)

8月17日

 7時前に出発。いつも会うたびにぜぃぜぃいってるフランス人おばさまアンナと会う。彼女は今日山に登って、降りたらフランスに帰るそうで、もう会えないかもしれないので写真を撮った。いつも荷物は次の町まで運ぶサービスを利用してるけど、今日と明日は荷物を持って歩くそうで、しかも山登りだから、心配...

  いつものメンバーで出発。アストルガの町を出る頃、久しぶりにアメリカ人サラに会う!スペイン人男性と一緒。サラはチャーミングで寂しがり屋なので、カミーノ中いつもいい感じの男性ができて、一緒に行動しているので、面白い。

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モザイクが可愛い教会。

 しばらく歩くとまた教会があって、珍しく日本語表記もあった。

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9ヶ国語。

 RPGに出てきそうなバルで朝食。

 11時ごろバルで休憩。隣の席になった、オーストラリア人の親子と話す。息子さんは、多分65歳くらいで、トレジャーハンターみたいな服装で、とにかく豪快に笑う。別に面白くなくても、彼が笑うとみんな釣られて笑っちゃうって感じの人。お母さんは、多分80くらいで、髪は綺麗に白髪で、めちゃくちゃチャーミング!白髪のボブで、耳のあたりを三つ編みにしてて、Yが可愛いねって言ったらYも私も、ついでに韓国人パパも同じ髪型にしてくれてくれた。とにかくよく笑う親子で、楽しい時間だった。あんな風に歳をとりたい。

 13時休憩したバルに、馬が繋がれていた。隣の席の地元風な男性と話すと、家から彼が乗って来た馬だそうだ。いいなあ。ついつい話も弾むけど、いつものメンバーはとっくに先に出発したし、山の上で宿無しは笑えない。Yに先行くねと言うと一緒に行く!とのことなので一緒に出発。

 今日も太陽はカンカン照りで、遮る木もあまりない道を登る。かなりきつい。アンナが心配になる。

 15時前に山頂の村に到着。ここフォンセバドンは、廃村だったのを、巡礼者が増えてきたので整備した村で、確かにアルベルゲくらいしか無い。ドネーション(寄付)の宿は定員18名なので最初から諦めて、いつものメンバーが行くと言っていた宿へ行くと、満室。通りにある宿も満室。ちょっと焦りながら、三件目で宿を確保して一安心。韓国人シスターズの姉が、評判がいまいちって言ってた宿だけどまあいいや。

 宿に入ってみると、チベットの山とかにあるお経が書いてある旗があったり、ヨガの時間があったり、ヒッピーな感じで結構好きかも。部屋に行くと、日本人女性Y子さんと会った。ベッドバグに詳しくて、この部屋は要注意とのことなのでしっかり虫スプレーをかけた。

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朝食付き嬉しい。

 シャワー洗濯を終えて、宿の一階でお昼ご飯。どこに座ろうかなって考えてたらテルマエロマエに出て来そうな濃い顔の男性が、ここ!って言ってくれたので、隣に座る。Yとベジタリアンパスタをシェア。美味しい!宿に着いた時に、いつものメンバーがここにお昼ご飯を食べに来てて、豆料理を美味しいって言ってたけど、パスタも美味しい。夜ご飯もここで食べよう。

 テルマエロマエみたいな彼はスペイン人の、ホセマ。Yは昨日一緒に歩いたみたいで顔見知り。Yが、彼の恋人が後から来るよと私の耳元で囁く。しばらくして来たのは同じくスペイン人男性のハビーで、二人は幼馴染で去年も一緒にカミーノに来たそう。さっきの聞き間違いかなって思ってたら、Yが、多分カップルだと思うってまた耳元で言う。それはどうか分からないけど、とにかく二人とも超お洒落で超優しい。

 ご飯を食べてると、カップルが歩いてきて、宿はどう?って尋ねてきた。彼らの宿は夕食込み20€で、シャワーは故障中で、部屋は地下で窓が無く湿っぽいとのこと...ここは夕食朝食込みで17€でシャワーはお湯出るし、窓あるし、ヨガもあるよ!と伝えると返金してもらってここに来る!って言って本当に移ってきた。

 17時からは離れみたいな小屋でヨガ(無料・希望者のみ)。英語だったのできっちり出来たかというと微妙だけど、気持ちよかった。ヨガの途中で、オーストラリア人親子が入って来て(彼らの今日の宿はこの小屋)、そのままヨガに参加して笑った。17時にここに着くなんて、勇気あるな!

 7時からご飯。私とY、アメリカ人サラ、陽気なイタリア人アンジェロ、スペイン人ホセマとハビー、初めましてのベラルーシ人男性で食卓を囲む。白いチャイナシャツを着たジョンレノンそっくりの人が配膳してくれた。メニューは、サラダ、生ハム、フムス(ひよこ豆のペースト)、チーズに巨大パエリア。全部美味しかった。大好きなフムスが出て嬉しくて食べてると、サラもフムスが好きみたいで(手作りするらしい)、フムス美味しいよねって盛り上がった。赤ワイン飲み放題でみんな良く飲んで美味しく食事した。

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 食事の後は、外で夕暮れを見ながらおしゃべり。スペイン人ジュリがアンジェロのウクレレを弾きながら歌う。彼女の歌うRead all about itはきっとずっと忘れない。それから、イタリア人の歌うチャオチャオチャオ!って曲も楽しかったな〜あと、サラと一緒に歩いてるスペイン人男性がカントリーロードを弾いてくれて、Yと一緒に歌ったり。とにかく楽しい夜で、すっごく酔っ払って記憶が曖昧。部屋に戻るとき視界がぐるぐる回って、空中にたーくさん星があって、こんなの見たことないって思ったのは覚えてる。

 

Albergue Monte Irago   8€ ★★★ 夕食9€美味しい ベッド早いもの勝ち ベッドバグ出るかも? ヨガあり

カミーノ22日目(San Martin del Camino→Astorga 22.8km)

8月16日

 6時過ぎに一人で出発。何故かと言うと、今日の目的地Astorgaに早く着いて、行きたいレストランがあるから。13時から16時までの3時間しか営業してない小さな、ミシュランのお店。予約無しで入れるか分からないし、ちょっとお高めだし、みんな行きたいか分からないから一人で行くことにした。

 まだ暗くて、しばらく歩いてすぐに道があってるか不安になった。立ち止まっていると、クールな日本人大学生Rが来て一安心。車道沿いの道を話しながら歩く。

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  1時間半ほどでオルビゴ村到着。長くて立派な橋が印象的な村。ガイドブックによると、

 1434年、レオノール・トバール姫に恋したレオン出身の騎士ドン・スエロ・デキニョネスは、その証として9人の騎士と共に、この橋を渡ろうとするものと戦い、“一ヶ月誰も渡らせない”または“300本以上槍を折る(勝利する)”と宣言した。7月10日から8月9日までスペイン人、イタリア人、フランス人、ドイツ人、ポルトガル人の挑戦者と戦い抜き、見事一ヶ月誰も渡らせなかった。その後、巡礼の旅に出て、姫の腕輪サンティエゴの大聖堂に奉納したという。

とのこと。

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別名「名誉ある足跡の橋」

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アルベルゲの案内にも橋が描いてある。

 オルビゴを出るとすぐに道は二つに分かれる。真っ直ぐ進む道と、右に行く道。まっすぐ行く人が多かったからまっすぐ進む。日本人大学生Rがまっすぐ進んだ後引き返して来て、聞くとやっぱり右の道に変更するとのこと。ふ〜んと思いながらまっすぐ進んだけど、これが失敗!自動車道沿いの道で、途中村もなくつまらなかった。右の方が自然で、途中で村があるみたい。まっすぐの道は村も、気持ちよく休憩できる場所もあまりなく、顔見知りにも会わず、アルファルトの道を淡々と歩く。一人で歩くのも好きだけど車道沿いは楽しくない...

f:id:yui_maerz12:20180110043805j:plain コロンバ山を登ると右の道と合流し、山の上の十字架に到着。ここからは土の道で快適〜♫

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アストルガの町が見える。

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山を下るとサン・フスト・デ・ラ・ベガという村に到着。

 ちょっとカフェで休憩した後、3.4km先のアストルガへ向けて出発。歩いていると

緑の歩道橋があった。珍しいカミーノの道。

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階段じゃない歩道橋ってあまり見たことないかも。

 

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アストルガはすぐそこ!

 11時半到着。23kmだからきつくなかったけど、最後の最後の登り坂が辛かった...坂を上りきったところにあるムニンシパルは、日本のカミーノ友の会とも交流があるみたいで、日本語がちらほら。受付もなんと日本人女性のボランティアスタッフだった(スペイン在住の方)。

 シャワー洗濯を済ませてレストランへ。もちろん満員でスタッフさんも超忙しそう。手が空くのを待って、予約無しで食べれるか聞いたら、15時半なら!とのことなので、15時半まで街を散策&カテドラル見学。

 カテドラルは町の大きさの割に豪華だった。

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楽譜に似てるけど何だろう?

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何かの物語。挿絵が面白い。

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ペレグリーノくん。

 いざレストランへ。時間通りに行っても店員さん凄く忙しそうでしばらく待ち。

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一人だけどワイン一本。トマト美味しい。

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メインの内臓の煮込み。シンプルで美味しい。

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ひよこ豆の煮込み?豆も、付け合わせのキャベツも美味しい。

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優しい味のスープ。

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柔らかいプリンみたいなデザート。

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食後のコーヒー。

 メインの内臓の煮込みはもちろん、ひよこ豆がめちゃくちゃ美味しかった。ただ、とにかく量が多くて、あまりにも食べれなくて申し訳無かったので、誰か誘って二人で行くのが良かったかな。家族経営っぽくて、看板娘的な女性がめちゃくちゃチャーミングで、気配り上手で、素敵だった。いつかまた絶対行きたい!
 食後はガウディ建築の司教館へ。

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 外観がお城みたいで可愛いけど、司教館としての依頼だった為、イメージに合わないと反発する人が出て来て、ガウディは途中で手を引いたみたい。それでも、やっぱりガウディらしさがあって素敵な建物。100%ガウディだったら良かったのにとは思うけど。

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 今日は私とY、3人組といつものメンバーに加えて、世界一周ガールAと、クールな日本人大学生Rでカレー作り。みんなで買い出しし、今日も大混雑のキッチンで何とか調理スタート。Rは基本自炊してる感じで、料理上手。出来あがったカレーと、韓国人パパの一品をみんなでテラスで食べる。美味しい〜けど、米が大失敗...べっちょべちょ。一緒に食べるのがカレーで良かった。米の失敗の原因は、韓国人大学生Yが途中で全体を混ぜたこと!あんまり料理に積極的じゃないのに何故かき混ぜたのか謎。余った材料でRがトルティーヤを作ってくれてそれもまた美味しかった。

 テラスでギターを弾くグループに混じって、スペイン人女性と二人でめちゃくちゃ踊った。人懐っこいイタリア人アンジェロと話して、同い年ということが分かってちょっと盛り上がった。

 今日も楽しい夜。

 

ムニンシパル 5€ ★★ キッチンあり シャワーが押しつづけないと出なくて微妙 テラスからの景色が良い 

 

Las Termas  美味しいレストラン ↑のメニューで一人22€ 常に満席だったので予約か、開店時間に行くのがオススメ