カミーノの迷い方

食べるの大好き人間のカミーノ巡礼、栄養学、食に関する本、ゼロウェイストなど

カミーノ24日目(Foncebadon→Ponferrada 27.4km)

 8月18日

 今日はイラゴ峠の鉄の十字架から日の出を見たいので、6時ごろ、多分村で一番位に出発。暗闇の中、村から出る道に羊が沢山いて怖いし、霧が凄いので出発しそうな人をちょっと待って後をついていく。暗闇で、霧の中一人で山を登っていくのって日常からかけ離れてて、ドキドキする。

 7時ごろ十字架に到着。沢山の人が祈りを捧げた大きな十字架を前にすると不思議な気持ちになる。地元から持ってきた石をここに積んで道中の安全を願うみたいだけど知らなくて持って来るの忘れちゃった。石を積んで願うといえば宮崎のパワースポット天安河原を思い出す。天安河原では無数に積まれた石がなんだか怖くて近づけなかったけど、ここでは平気だった。置き方の違いかなあ?

 日が出るまで地面に座ってぼ〜っと過ごす。変化していく空は綺麗だけど、方向的に朝日は良く見えなくて、途中の道からの方が綺麗に見えたから朝そんなに頑張る必要なかったかも。

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6:55

 世界一周ガールAに会って一緒に歩く。緩やかな下り坂で歩きやすい。綺麗な山を背景に写真を沢山撮った。私のレインウェアは紫で、Aはピンクでなんとなくいい感じ。

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7:57

 マンハリンに到着。とは言ってもここはアルベルゲが一つあるだけなので通り過ぎる。ここのアルベルゲはシャワーが無くて、一風変わった男性がいるとの噂。もちろんWifiも無いだろうし、泊まってみたら面白いかも。

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各国への距離の看板たち。日本は見当たらなかった。

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モロ。

 山を歩くのは、単調な景色が続いたメセタの後というのもあって、楽しい。遠くの山も、近くの草花も綺麗で、時々霧の中で、緩やかに下って、Aとジブリ映画の話をしたりしながら歩く。

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道しるべと記念碑とヒースの花。

 車道に出たところで休憩。韓国人カップルのお隣に座って、話す。ソウルの大学生カップルで、仲良さそうで微笑ましい。

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KEEP GOING !

 途中で昨日同じ宿だった日本人女性Y子さんと会って一緒に歩く。海外に何年か住んでいた経験があって、スペイン人ばかりと住んでいたり、ベッドバグの発生で何回か引っ越したことがあったり、色々な経験をしていて話すのがとても面白かった。

 モリーナセカに到着。村へ入る橋とその下に流れる川沿いが印象的な村で、ここで泊まってもいいかも!と思うくらい気に入った。他の人と待ち合わせをしているY子さんと別れて、お昼どうしようかなって思ったら、Yから今ここにいるよって連絡が来てて、場所を確認したらすぐ近くだったので向かう。

 川の前のレストランのテラスで軽くお昼ご飯。メニューを見るとタパスしかなかったけど、店内に行くとピンチョスが並んでたので指差し注文。

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ピンチョス3つとワインで2.8€

 南アフリカ人のショーンが隣のテーブルにでメニューを見て悩んでる。中にピンチョスあって、これで3€しなかったよ〜 って写真を見せると、これにする!と言って中で注文。ピンチョスとワインを手に戻って来ながら、いい情報をありがとう!って爽やかな笑顔で言って行く。ペレグリーノ同士って、自然に助け合える、本当に心地良い関係。

 Yと昨日の夜の話をする。Yも結構酔っ払って、ハビーに、二人は付き合ってるの?って聞いてしまったらしく、私って失礼..謝らないと...って悩んでる。ちょうどハビーが来たので、昨日はごめんなさいっていうと彼は、「いいんだよ。でも僕は女性が好きなんだ。とっっってもね。」って言ってて可愛かった。彼のカミーノ日記に彼女が韓国語で謝罪文を書いて、私も書くように言われて、謝ることはないので彼の印象について日本語で書いた。緑のモレスキンのノートで、中の文章も全て緑のペンで書いてあって彼に似合ってた。ノートいっぱいの韓国語と日本語を見て喜んでくれたので良かった。

 ここ2週間一緒に歩いて来た韓国人大学生Yと、韓国人パパとは今日でお別れ。彼らは旅行の日程に余裕がないので、明日バスに乗って先の街まで行き、そこから聖地サンティアゴまで歩く予定(ちなみにこの二人は旅行の日程も一緒だし、なんとなく親子の様に見えるけどカミーノで会った全くの他人)。彼らに向けてハングル語で手紙を書く。Yに手伝ってもらいながら書くけど、ハングル語を勉強したことが無いので、どこからどこまでが一つの文字か分からず、難しい!違う文字の言語を学ぶ人って凄いなあ〜と尊敬。ちょうど彼らが来たので急いで隠す。レストランを探しているが見つからないしここで食べる?って言い出しそうな彼らに、そのレストランならあっちじゃない?って方向を示す。ここで食べられたら手紙書けないから!

 ポンフェラーダに到着。思ってたより大きくて、人口6万人超えの町。大きな橋を渡って、ムニンシパルへ。Yと受付をしていたとき、Yの腕にたくさんあるベッドバグの跡について聞かれる。いつからか、どこの宿でか、リュックは洗ったか...それが終わってベッドに行ってゆっくりしていると、受付の人とかなり年配の男性が来て、"リュックをこの袋に入れて洗え"と言うので、何度も洗ったよ!って言うと、"一緒に行動してるならお前もだ"ってかなり強い口調で言われて呆然。私にベッドバグが無いことを説明するとOKになったけどYはそうもいかず、リュックをまた洗うことに。お向かいのベッドのショーンとその彼女も大変だねって同情してくれた。ベッドバグは巡礼者にとっても宿にとっても大きな問題なことは分かってるけど、年配の男性の態度がかなり酷く、Yの元気が無くなってしまった...

 後から着いたいつものメンバー(スペイン語勉強中の日本人大学生T)も、年配の男性に怒ってる様子。洗濯機の使いかたが分からず彼に聞くとスペイン語でしか話してくれず、意味を他のスペイン人に確認していると、"スペイン語が話せないなら洗濯機を使う資格は無いので使わせない"と言われたそう。Crazy!!!

 そんなこんなで皆なんとなくお疲れモード。今日でお別れの韓国人二人が明日のバスのチケットを買いに行って帰ってくるのを待つ間、足湯みたいな足プールに足つけてたり、クールな日本人大学生Rの自炊を手伝ったりして過ごす。手伝いながら、先日買ったパプリカの何かを開けると、燻製では無く粉だった。ちょっと残念。

 二人が帰って来たので、街へご飯を食べに行く。一軒目は私とYだけ、立ち飲み屋で乾杯。地元の人と隣で楽しかった。

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一軒目。El Orto Bar 。お洒落タパスがずらり。

 二軒目は、みんなで座って乾杯。二人に手紙を渡すと、大学生Yが泣いてくれてこっちもじーんとした。振り返ると短い間だったけど、出会えて良かったなあ。韓国人パパは、ビールのグラスに指で触れて、目の下につけて泣き顔に。この人は最後までお茶目で憎めない人だった。

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二軒目。La Destilería Bar 。サッカーグッズがずらり。

 三軒目は通りかかったらちょうど席が空いた屋外の席で乾杯。ここで食べた内臓?か何かがめちゃくちゃ美味しかったけど何だったのか忘れちゃった。

 出会いの数だけ別れがあるカミーノ。2週間ほぼ毎日一緒に過ごした二人とのお別れは寂しいけど、また会える日が楽しみ。前に進むしかない。

 

ムニンシパル ★★ ドネーション Wifiの使い方ややこしくて使わず シャワー、洗濯場遠い 足湯有り キッチン広いけど人多いので競争 年配の男性以外はいい人 

Bar Dkda  三軒目のレストラン