カミーノの迷い方

食べるの大好き人間のカミーノ巡礼、栄養学、食に関する本、ゼロウェイストなど

カミーノ14日目(Burgos→Castrojeriz 40.3km)

8月8日

 今日からは、“遮るものがないメセタの大地”の始まり。単調な風景が続く、日を遮る木々が無いこの道は、ブルゴス→レオンまでバスでスキップする人も多い。韓国人シスターズもこの道はバスで行くので、暫くお別れ。

 韓国人ナースYと6時過ぎに出発。今日は40.3km歩く。カミーノ前の計画では、最長で25kmだったはずなのに何故こんなに歩くのかというと、韓国人ナースYの提案。いくつか先の街に泊まりたい宿があるから、そこに早めに着くために、今日は絶対40km歩いた方がいいとのこと。彼女が断言するので、カミーノ2回目の彼女を信じて歩いてみることにした。

 公園で初めての日本人男性を見かけたので声をかけて一緒に歩く。彼は1週間前に気に入って2泊したログローニョに留学中の大学生で、言語学を専攻してるとのことで、とっても楽しく、ログローニョの町のこと、言葉や合唱、宗教音楽などについて話した。彼には英語よりスペイン語の方が簡単だそう。言葉ってやっぱり面白い。

 ずっとタメ口で話してて、年を聞かれたので答えると、一瞬固まって、一気に敬語になった。若く見られると嬉しいような、複雑なような気持ち。

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雨上がりは気持ちいい♫

 彼は足を痛めてから、一日20kmしか歩かないと決めているらしくて、今日40km歩く予定の私たちにちょっと引いていた。一日20kmしか歩かないなら、会うのは今日が最後かなあ。

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地図で見ると、40%くらい歩いたところかな。

 朝ごはん休憩をとる私とYを置いて、彼はじゃあと別れて歩いていった。Yは彼クール(冷たい)ね!と一言。確かにさっぱりした男の子だったし、韓国人のYにはよりクールに写るのかも。

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ザ定番。カフェコンレチェ、トルティーヤ、ナランハ(オレンジ)ジュース

 韓国人ナースYと歩く。小さな教会が見えてきた。たくさんの教会を通るので、全部の教会に入るわけじゃない。Yも私も(Yの影響)一日一回は教会に入ることにしてるし、なんだか良い感じなのでここは入る。今日は、闘病中の母親の手術の日なので、キリスト教じゃないのに厚かましいかもしれないけどお祈り。Yも祈ってくれた。教会はどこも綺麗だけど、時々凄く好きになる教会があって、ここもその一つ。しばらく過ごした後出ようとすると、可愛らしいおばあちゃんが、私とYにマリア様が描いてあるコイン(メダイっていうみたい)のペンダントを首にかけてくれた。私の宝物になった。

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多分ほとんどの人が素通りした(そのメダイいいねってよく言われたから)小さな教会。

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また行きたいなあ。

 12時過ぎに、お昼を食べにお店に入ると、いつものメンバー(韓国人パパ、韓国人大学生Y、日本人大学生T)が先に付いてたので隣に座る。彼らもYの影響を受けて、40km歩くかどうかミーティング中。

 朝一緒だった大学生の男の子が歩いてたので声をかけたけどそのままスルー。やっぱりクールって思ってたら、買い物をして戻ってきた。彼は、今日はこの町で泊まるそうなのでお別れ。

 初日のピレネーから一緒のドイツ人のおじさんと久々に再会。一人で隣のテーブルに座ろうとする彼をYが手招きして、私たちの席に呼んだ。彼女は本当にフレンドリーで見習いたい。彼は美人の娘さんと二人で歩いていたけど、彼女はブルゴスまでで帰ってしまったので、今日からは一人とのこと。初めてカミーノに挑戦する父のために、最初14日間は娘さんが一緒に歩いて、ゴールでは息子さんが待ってるって聞いて、素敵な家族だなあって思った。他の人とはあまり話さずに、親子で歩いてたから、今日から大丈夫?って聞いたら、「今日はみんなでご飯を作る宿に泊まるんだけど不安なんだ...」と漏らす彼。チャンスだよ!って二人で励ます。私たちが40km歩くことを告げると、「じゃあもう会えないね...」って言うので、きっと会えるよって励まして、写真を撮った。でも、彼とはこの後会えなかった...スイスに近いドイツに住んでることと名前は知ってるけど、折角だから連絡先を聞けば良かったなあ。

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初!ホワイトアスパラガス!柔らかいねぎみたいで美味しかった。

 14時の時点で半分の20kmしか歩いてなくて、何時に着くのかちょっと不安。かんかん照りの中、ひたすら山を登る。

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空が青くて、ひまわりが黄色い。

 山の上で、だーれもいなくて(駆け抜けていく自転車女子くらい)、空が近くて、雲が可愛かった。山の上なのに、平坦で、道が続いてて、不思議な感じ。天国ってこんな感じかなって話しながら歩いた。カミーノでみた、忘れられない美しい景色の一つ。

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 休憩中に通り過ぎて行く自転車を止めてちょっと話す。久しぶりに巡礼者に会うと嬉しくなる。イギリスから自転車で来た男の人だった。自転車の人とは再会する確率は凄く低いので、お別れはいつも寂しい。良い旅を。

 17時前に、30kmのオンタナスに到着。

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底に町が見えてきた。

 住民60人の集落だけど、なんだかいい雰囲気。休憩に入ったカフェで韓国人男性と会う。彼はここに泊まっていて、良さそうな宿だった。彼は何日か前に日本人大学生と会ったそうだ。名前を聞くとまだ会ったことない人だったので、楽しみ。

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ちょっと泊まりたかった。

 

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パタタスブラバス(ポテト)とナランハ(オレンジ)でエネルギー補給。

 そういえば3人組はどこまで歩くことにしたのかな〜とYと話しながら出発。私もYも、多分40km歩いてるよねってことで意見が一致。なんとなく、私たちが40km歩くと聞いたら彼らは同じかそれ以上歩くと思った。彼らはいい意味で少年っぽくて負けず嫌いだから。通りにある宿にも彼らがいる感じがしなかったので、よし、追いつこうって気合いを入れて町を出る。

 ここからの2時間はきつかった〜。体力的にもきついし、太陽の位置がいつもと違って、精神的にも焦る。でも振り返ると、Yと歌いながら、いつ着くの〜?宿あるかな〜って話して、道端に座って、今の気持ちを録画したりして楽しかった。

 

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Finally〜!

 歩いてると色んな人が、ムニンシパル2つは両方満室だよって、教えてくれる。考える力が残ってなくて、どうしようかって何となく歩いてると、Yを呼ぶ声が!Yと友達のスペイン人たちだった。一瞬で事情は分かった様で、電話をかけて宿をとって、宿まで送ってくれた。すごーく助かったー!バスク地方出身の3人だった。いい人。

 着いた宿は、2段ベッドじゃない宿で、Wifiがベッドでもサクサクで、部屋は私たちの外は3人しかいなくて、すごく快適だった。宿の地下には、かなり昔の戦争の為に掘られたものを利用したワイン貯蔵庫があって、宿の主人が20時半から説明、試飲をさせてくれた。

 近くのバーにご飯を食べに行って、ワインを注文。急かしても来なくて、結局、ワインの煮込み料理を頼んでたみたい。食べ物のスペイン語は覚えようと決めた。店から出るとすっごく寒かったから走って帰った。(海抜800m)

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CHORIZO AL VINO (VINOがワイン) を食べた。

アルベルゲ Ultreia  ★★★ 10€ 部屋もシャワーも清潔  wifiサクサク 雰囲気良い