カミーノの迷い方

食べるの大好き人間のカミーノ巡礼、栄養学、食に関する本、ゼロウェイストなど

動じない彼、自由を求める彼女

 コロナで自粛中の4月5月、私が会って話した人間は2人(ルームメイト、家の管理人、小売店の店員さんを除く)。その2人について最近感じたことをかく。

①動じないわたしの恋人

 私の恋人は動じない。私がインターネットで見つけたぶっとんだ事実を共有しても、私が日本の政治や社会がいかにおかしいか熱弁しても、基本的に動じない。と言っても別に冷たいわけではなく、ただ、ものすごく感情的になるのを見たことがない。私はそれを、彼が生まれもった性質+育った家族環境によるものかな〜と思っていた。でも最近それについて彼と話していて彼が言ったのは、、二つのルーツによるものもあるかもということ。彼の父と母は違う国(ヨーロッパとアフリカ)出身で、彼は基本的に父の国で生まれ育ちながらも、母の国で幼少期の長い時間を過ごした。その二つの国は物価も文化もかけ離れている。彼曰く、全く別の国を交互にみたから、何をみてもそんなもんかと思うとのこと。日本生まれ育ちの私にはない感覚で面白いなと思った。

②自由を求める友人

 私の友人は、明るくて話題が豊富で面白い人。アフリカの島出身で、いろんな場所に住んだり旅行したりしている。今はわたしの近所に住んでいるのもあって、よく一緒にご飯を食べたり山に登ったりする。ちょうど同じ時期に同じドラマを見ていて、それについてたくさん話した。NetflixのUnorthodoxというドラマは超保守派のユダヤ人コミュニティを描いたもので、私にとって彼らの規律の多い生活には驚きが多かった。彼女はパリにいた時に保守派のユダヤ人と接したみたいでドラマを見る前から色々知ってはいたけど、ドラマを見て改めて感じることが色々あるようだった。 

 超保守派の自由がない(髪はウィッグの下は短髪に切る、人前で歌うこと禁止、異性と目を合わせてはいけない)コミュニティで育った主人公は、何より自由を求めていたんだね...って話をした時に、彼女が言った。「私は、数世代上は奴隷だった。だからね、ぜっったい自由でいたい。って強く思ってる。」わたしにとって彼女は、南の方の島出身で、アートが好きで、食べるのが好きな女友達。その時に初めて彼女の人種を意識した。わたしが育ってきた環境は、本当に世界の一部だなって思った。