カミーノの迷い方

食べるの大好き人間のカミーノ巡礼、栄養学、食に関する本、ゼロウェイストなど

30代で上京して良かった!?

 ある本を読んで、私、上京をしたのが30代(ある程度価値観が固定した後)で良かった...!!と思った。その本とは、雨宮まみさんの「東京を生きる」。

 雨宮さんは、私と同じく福岡県出身で、18歳で上京してライターとして活躍して2013年に新語・流行語大賞にノミネートされた「こじらせ女子」という言葉の生みの親でもある。「東京を生きる」は若くして田舎から都会に出てきて長年過ごす女性の孤独・焦燥がリアルに表現されている。

 東京に来る前、東京に住んでいるまたは住んだことがある人が口を揃えて言う「東京は楽しいよ、お金があれば。」をふ〜んそうなんだと聞いていたけど、東京に来て分かった。何をするにもお金がかかるし、何でも売ってる。東京に来る前に、お金がなくても楽しみを見つけられる街ベルリン、京都に住んでいたせいもあり余計に感じる。

 

ベルリンで身につけた価値観

 福岡からベルリンに引っ越して、ベルリンの人たちの何でも自分で作ったり、修理して使う文化目から鱗が落ちた。いらなくなったものは道端のboxに置いておけば誰か持ってく(私も必要なものあったら拾う)し、新品を買う前にまずセカンドハンドショップや蚤の市を覗く文化。生粋のベルリナーでアーティストのルームメイトは工具一式持ってて、本当になんでも作る人だった。あと、シェアハウスに住んでいた影響も大きいけど、人とシェアする良さも知った。私はたった1年とはいえこの価値観にどっぷり浸かり日本に戻った。

ベルリンから京都へ

 ベルリンから帰国し、京都の左京区へ引っ越した。ここで感じたのは、ベルリンと左京区は似ている...!!ということ。何の土地勘もなく家を決めたけど、その家に決めたのは私の人生の決断で一番良いことのひとつだった。

 左京区は、京都大学を始め学校が多く、いくつかの美大がある。その影響もあってか、京都のなかでも独特の雰囲気がある。家の近所の素晴らしい本屋ホホホ座ではゼロ円マーケットというベルリンの不要品boxのようなものがあったし、神社での蚤の市が盛んにあった。鴨川デルタでは学生や外国人、楽器を弾いてる人、ラクロスの練習している人、絵を描く人など人がそれぞれにリラックスして時間を過ごしていた。あと、自然がとても近いのも良かった。

 私が選んだ家は定員8人のシェアハウスで、2年半住んだけど日本人のルームメイトは1人だけで、大体は外国人(学生、ワーホリetc)だった。彼らとは価値観がぴったりだったので色んなものをシェアして、一緒にご飯を作って食べたりして過ごした。

京都から東京へ

 シェアハウスから恋人と2人暮らしという変化、コロナ禍ということもあるけど、東京は孤独を感じやすい街だと思う。コロナ禍じゃない東京を経験してみないと分からないけど。

 あと、東京は公園などの自然、ギャラリーが少ないし(ベルリン・京都に比べて)、いい意味でも悪い意味でも何でも手に入るので、誘惑が多く、出かける選択肢が買い物になりがち。ベルリンだと公園、ギャラリー、友人宅に集まるなどが多く、商業ビルには1年間で1、2回しか行ったことない。京都だと鴨川、大文字山、神社仏閣、商店街、家が友人宅などで、商業ビルは2年半で5回くらい?しか行かなかった。

私が若い頃に上京していたら?

 私は福岡で働いて給料を貰い、ほどほどに物欲を満たしてベルリン・京都で価値観を身につけて東京にきた。もしも私が若いうち、例えば22歳で就職と同時に上京していたら、狭い家に高い家賃を払って一人で暮らし、身の丈に合わない物を欲しがり、本の中にあるような"お金がないと楽しくない"というような価値観になっていたかもしれない。東京には、"モノ"でいうと何でもあるし、実際にそれを持っている人が沢山いるから、価値観や金銭感覚がバグりやすいなって思う。なので、私にとっては良い、東京に来るタイミングだったなと思った。(自分の価値観がしっかりしてる人や、物欲があまりない人、学生で上京とかだったらまた別だと思う。あくまで私の場合!)